2006年9月14日(木)「しんぶん赤旗」

核戦争防止国際医師会議

30カ国以上から学生

核廃絶へ会場内外で交流


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(写真)ヘルシンキ市内のIPPNW世界大会会場近く の交差点で、核兵器廃絶のビラを渡しながら核 戦争の危険を訴える青年=8日(岡崎衆史撮影)

 【ヘルシンキ=岡崎衆史】フィンランドの首都ヘルシンキで八日から十日まで開かれた核戦争防止国際医師会議(IPPNW)第十七回世界大会では、ヘルシンキ市中心部の会場やその周辺は運動の交流や対話で活気づきました。多くの青年が活動に参加し、青年同士の交流も進みました。

ビラを手に数十人訴え

 八日昼、IPPNW世界大会会場に近い地下鉄ハカニエミ駅近くにある交差点。核兵器の破壊力の広さを図で示したビラを手に、数十人が通行人に核兵器の危険性を訴えました。

 「十五人から二十人ぐらいと話しました。核兵器に賛成なんて人はいませんでした。関心をもっている人が多くて、さっきはベビーカーを手にしたお母さんと十五分も話し込んでしまいました」。こう語るのはドイツ西部のアーヘンから来た医学生のニノ・ノイマンさん(29)。同じくドイツから来たレナ・ゼーリックさん(26)は今年医師になったばかり。「人間の健康を守ることが医師の役割であり、核兵器廃絶と平和はその大本にあるのでがんばります」と話しました。

 日本から参加したIPPNW日本支部や反核医師の会の人々も、反核署名の呼びかけなどを通じて参加者と交流しました。会議場入り口に近い反核医師の会の出店。机の上の国際署名「すみやかな核兵器の廃絶のために」には、三日間で六十人が署名しました。被爆者の写真が載った資料を自分たちの展示で使いたいと持っていくインドやネパールの代表。日本での運動の様子を質問したり、資料に興味を示す人たちが後を絶ちません。

 旧フランス植民地のアルジェリアや南太平洋の核実験で被爆した退役軍人約一万人への補償を求める運動を進めているIPPNWフランス支部のベアール氏は、、日本の被爆者や平和運動との交流を進めていきたいと語りました。

日本からは26人が参加

 今年の世界大会の学生参加者は三十を超える国から約百三十人に達しました。一九八四年のヘルシンキ大会ではわずか三人でした。日本からは前回の北京大会の十二人を大きく上回る二十六人が参加しました。

 長崎大学医学部の学生(21)は、「『核兵器は無差別であり、今使用される可能性がある。これを許してはならない』との考えを多くの人に伝えたし、共感してもらった。同時にインド人にとって貧困問題が切実だし、フィリピン人にとって地雷問題が切実だとか、それぞれさまざまな強調点があり、それを交流することができた」と会議の成果を語りました。

 中国からは初めて学生六人が参加。その一人北京の十九歳の医学生は、一昨年の北京大会では要員を務めました。「核兵器廃絶を求める医師の集団があることを知ってどうしても自分も参加してみたくなって自分で組織をつくったんです」

 今大会まで学生代表を務めたアレックス・ロゼンさん(26)は三週間前に医師になったばかりです。「今回の会議でも主体的にかかわった青年、学生が自分たちの力で世界を変えていきたいと思います」と話しました。


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