2006年9月10日(日)「しんぶん赤旗」

福島県談合

佐藤工業が2割受注

阿武隈川流域下水道工事

平均落札率98%


 福島県発注工事をめぐる談合事件で、同県最大手の建設会社「佐藤工業」(福島市)会長佐藤勝三容疑者(66)の逮捕容疑となった阿武隈川上流「流域下水道整備工事」の落札率(予定価格に対する落札価格の割合)が平均で98%台ときわめて高いことが九日、本紙の調べで分かりました。


 東京地検特捜部は、佐藤容疑者が地元建設業者側の落札業者選定を主導していたとして追及していますが、高い落札率は恒常的に談合が行われていたことを裏付けるものです。

 本紙が調べたのは、同工事の一九九三年から二〇〇四年まで十二年分の入札調書から抽出した一億円以上の工事七十九件について。このうち三件は予定価格が明らかにされていないため、残る七十六件について算出した結果、平均落札率は98・2%にものぼることが分かりました。

 年度別にみると、十二年間のうち五年間で平均落札率が99%をこえています。二〇〇〇年度がもっとも高く平均99・8%で、この中には佐藤工業が99・9%で落札した工事も含まれています。

 佐藤容疑者は、同じく競売入札容疑で逮捕されている福島県の設備会社社長辻政雄容疑者(59)らと共謀し、〇四年八月に行われた同工事の指名競争入札で、準大手ゼネコン「東急建設」と佐藤工業のJV(共同企業体)に落札させるために談合した容疑で逮捕されました。このときの落札率は94・6%でした。

 七十六件のうち、佐藤工業は二割以上の十六件を受注しており、そのうち十二件が落札率99%を超えていました。

 佐藤工業は、ほかに談合があったとして東京地検の捜査対象になっている、県発注の自動車専用道「あぶくま高原道路」の工事でも十八件を受注しています。


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