2006年9月8日(金)「しんぶん赤旗」

企業の6割 心の病増加

雇用削減・成果主義が背景

メンタルヘルス大会


 社会経済生産性本部・メンタルヘルス研究所主催の第二十八回メンタルヘルス大会が七日、東京都内で始まりました。二日間の日程。「変化する日本社会と心の健康、組織の健康を考える」が今回のテーマです。

 あいさつで小田晋所長(帝塚山学院大学教授)は「調査では最近三年間で心の病をもつ社員が増加した企業は六割を超える。雇用削減と成果主義の相乗効果がその背景にある」とのべ、「職場に格差を持ち込むことは、むしろ活性を阻害する」と強調しました。

 非正規社員の増大にもふれ、「格差拡大がもたらす悪影響にどう対応するかという課題を突き付けられている。雇用形態の格差による心の健康度の格差の評価、それを解消するための是正努力を推進する必要がある」と訴えました。

 同研究主幹の今井保次氏は、自殺者数が初めて三万人を突破した一九九八年を起点にした調査研究結果を報告。「そこから見えるのは成果主義の導入など企業内外での格差拡大をもたらした人為的操作の結果だ」とのべ、職場に格差をもたらす施策を導入すべきではないと強調しました。

 東京学芸大学の山田昌弘教授が「広がる希望格差―日本社会のゆくえ」と題して基調講演。「いつ見捨てられるのかと、成果主義でビクビクしなければならない職場が希望のある会社といえるのか」とのべました。


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