2006年9月8日(金)「しんぶん赤旗」

米大統領

秘密収容所認める

CIA拘束テロ容疑者を移送


 【ワシントン=山崎伸治】ブッシュ米大統領は六日、ホワイトハウスで演説し、米中央情報局(CIA)が拘束していた十四人のテロ容疑者をキューバのグアンタナモ収容所に移送し、国防総省の管轄下においたと発表しました。「少数のテロ容疑者がCIAの運営する独自の計画によって米国外で拘束され、尋問されてきた」と述べ、米国外にCIAの秘密収容所が存在することを初めて認めました。

 グアンタナモ収容所では、テロ容疑者に対して、捕虜などの扱いに関するジュネーブ諸条約を適用すると表明。議会に対し、容疑者を裁くための特別軍事法廷の設置法案を承認するよう求めました。

 米政府によるテロ容疑者の取り扱いをめぐっては、CIAが欧州やアジアに設置した秘密収容所で拷問を加えていた疑惑が浮上。米政府は否定したものの、欧州諸国から厳しい批判にさらされていました。

 また米最高裁は六月、行政府が特別軍事法廷を設置することは米国憲法とジュネーブ諸条約に違反するとの判決を下していました。

 十四人のなかには、二〇〇一年九月十一日の同時多発テロ事件の三人の容疑者のほか、二〇〇〇年十月の米駆逐艦コール爆破事件、一九九八年八月のケニア、タンザニアの米大使館爆破事件の容疑者が含まれているといいます。

 ブッシュ大統領は演説で、CIAによる容疑者の拘束・取り調べで得られた情報によって、テロ事件が防止できたとこれまでの不法行為を正当化。今回の移送でCIAが拘束する容疑者はもういないとしながら、「より地位の高いテロリストが拘束されれば、情報を得ることは欠かすことができない」として、CIAによる取り調べは継続すると表明しました。

 さらにグアンタナモに拘束された容疑者については、「警備に当たる米兵と同じ医療措置が施される」と述べるなど、国際的な批判に改めて弁明しました。


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