2006年9月3日(日)「しんぶん赤旗」

自民総裁選3候補

「地方格差」に無為無策


 自民党総裁選に出馬表明した安倍晋三官房長官、麻生太郎外相、谷垣禎一財務相が同党主催の各地方ブロック大会などで政策、政権公約を発表しています。しかし、政治の最大の課題の一つとなっている「地方格差」問題では、これを生み出した「小泉改革」への無反省と無策ぶりがあらわになっています。

 安倍氏は一日、広島市内で開催された中国ブロック大会で、地方に対し「しっかりと光と勇気を与えていくのが政治家の大きな使命」などと強調しました。

 しかしその後につづいたのは、「この中国地方はGDP(国内総生産)でインドネシアと同じだといわれております。インドネシアは人口二億人ですから、中国地方は生産性が高い」「フランスのシャンパーニュ地方は世界の大ブランドのシャンパンの生産でパリよりも一人当たりの所得が多い」などと外国を引き合いに出した話でした。

 対策でも「この分野でもイノベーション(技術革新)によってさらに生産性、競争力を高めていくことは十分に可能」などと抽象論を語るだけでした。

 麻生氏にいたっては、「地方は本当に暗いだろうか。地方の中小企業は本当にだめか」などと格差の存在自体に疑問を提示。広島県のごく一部に国際的にも大きなシェアを持つ企業があることを挙げ、「地方には頑張っている会社がある。こういう事実も知ってもらいたい」などと、政治の責任を回避する態度に終始しました。

 谷垣氏はこの問題で、「シャッター通りという言葉があるが、地方の実情によく目を開き活力を引き出す工夫をしなければならない」とし、「真に必要なインフラ整備」「大都市に吸い取られる地方税収の立て直し」などを掲げました。

 しかし、「地方格差」の主要原因の一つは、政府が旧来型の「大型公共事業ばらまき型」振興策を推進する一方で生活関連の公共事業を削減し、さらに、「三位一体改革」で交付税の大幅削減をおこない地方を疲弊させたことです。谷垣氏も財務相としてその大きな責任を負っています。(小泉大介)


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