2006年9月1日(金)「しんぶん赤旗」
国会議員の歳費増
審議日数減 国民とは格差
インド
【ニューデリー=豊田栄光】インドの国会議員の歳費と諸手当、元議員に支給される年金額が九月から増額されます。歳費は一般公立教員平均給与のほぼ二倍の月額一万六千ルピー(約四万二千円)になります。
改定案は八月二十三日に国会を通過しました。このほか、航空便無料利用回数の上限が年間三十二回から三十四回に増えました。国会議員には、事務所維持経費として年間十六万八千ルピー(約四十四万円)、電話代として十七万ルピー(約四十五万円)が支給されます。国会議員はニューデリーにある国会病院を利用すれば医療費は無料です。国会の定員は下院五百四十五、上院二百四十五、合計七百九十です。
国会での採決では、左翼政党が「財政難のこの時期に増額すべきではない。国会議員として恥ずかしいことだ」(インド共産党)などと反対しました。マスコミも「国民は貧しく、議員は少し金持ちに」(英字紙タイムズ・オブ・インディア)などと批判的です。同紙は、「議員歳費が上がる一方で、働く時間は減っている」ことを問題点にあげています。
下院ホームページによると、国会での年間審議日数は一九五六年の百五十一日をピークに減る傾向にあります。総選挙のあった〇四年はわずかに四十八日。最近十年は五十日から八十日程度で推移しています。
今回の増額にかかる予算は六億ルピー(約十五億六千万円)と見積もられており、国会経費は三百億ルピー(約七百八十億円)となります。

