2006年8月31日(木)「しんぶん赤旗」

「掃討作戦」可能に

自民小委が派兵恒久法原案


 自民党の防衛政策検討小委員会(委員長・石破茂元防衛庁長官)は三十日、自衛隊の海外派兵をいつでも可能にする「恒久法」原案を了承しました。原案は、自衛隊による海外での治安維持活動(安全確保活動)とともに、その際の武器使用も容認。米軍がイラクで展開している“テロ鎮圧作戦”まで可能にする重大な内容になっています。

 小委員会では、来月の新政権発足後に、自民党の国防、外交など関係部会の合同会議で本格的な検討に着手し、年内に同党案を策定して公明党との協議に入りたい考えです。

 原案は名称を「国際平和協力法」として、六十条にわたって条文化。自衛隊が▽治安維持活動である「安全確保活動」▽他国軍隊への輸送や補給などの「後方支援活動」▽人や施設などの「警護活動」▽テロリストの移動などを阻止するための「船舶検査活動」▽「停戦監視活動」▽「人道復興支援活動」―を行うことができると定めています。いずれの場合も「武器の使用」が認められています。

 国連決議や紛争当事者の要請がなくても、米国など「国連加盟国の要請」や日本政府の判断だけでも派兵が可能。「国際的な武力紛争」が起こっていない地域であれば、地球上どこででも活動できることになっています。テロや内戦は「国際的な武力紛争」ではないとして、イラクなど実際には激しい戦闘が行われている地域への派兵もできる仕組みです。

 安全確保活動では、人への危害や建造物の破壊などを防止するのが目的とされ、相手が武器を持っている「疑い」があり、暴行や脅迫をする「高い蓋然(がいぜん)性」があると判断すれば、殺傷しても構わない内容になっています。家屋への立ち入りや住民の一時的拘束も可能としています。

 米軍はイラクで「テロ掃討作戦」と称して、家屋に押し入り、住民を拘束したり殺害するなどしています。恒久法原案はこうした活動も可能にするものです。


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