2006年8月26日(土)「しんぶん赤旗」

国連暫定軍 本格展開へ

レバノン 仏が増派発表


 【パリ=浅田信幸】フランスのシラク大統領は二十四日のテレビ演説で、国連レバノン暫定軍(UNIFIL)への仏軍増派について「フランスが提起していた条件が整った」と述べ、二大隊(千六百人)の追加派遣を発表しました。すでに現地で任務についている四百人と合わせて二千人になります。これにより展開が遅れていたUNIFILのレバノン南部展開が本格化することになります。


 UNIFILの増強は八月十一日に採択された国連安全保障理事会の停戦決議一七〇一で規定されました。交戦していたレバノンのシーア派民兵組織ヒズボラとイスラエルが決議を受けいれ、停戦は十四日に発効しています。

 国連はUNIFILを一万五千人規模に拡大することを決めましたが、しかし、その後もイスラエルの停戦違反行為など不安定な情勢が続き、UNIFILの増強が急がれていました。

 シラク大統領は、条件としていた問題で、レバノンとイスラエルの双方からUNIFILの展開に関する保証を得たことを指摘。また国連からは、迅速な対応ができる指揮系統、パトロールに必要な移動の自由や敵対的情勢に直面した場合の武器の使用など、任務遂行上のルールについて「必要な明確化」が行われたとのべました。

 二十五日には欧州連合(EU)がレバノン派兵問題でアナン国連事務総長も加わった外相会議を開催しました。これまでにイタリアが二千―三千人、スペインが八百人、そのほかギリシャ、ポルトガルなどが部隊派遣に応じる立場を明らかにしており、EUは各国の派兵についてさらに協議します。

 UNIFILの指揮についてシラク大統領は「国連が望むなら、部隊の指揮を執り続ける」と述べました。

 増派部隊の実際の派遣は来週末になる見通しです。


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