2006年8月24日(木)「しんぶん赤旗」

庶民大増税 なぜなぜ問答

消費税編9

Q小さな業者は免税じゃないの?


 中小業者には、消費税法の「特例措置」によって、消費税を納めることを免除されている業者もいます。

ごく一部

 ただ、免税点が年間売り上げ三千万円から一千万円に下がり、免除される業者はごく一部となりました(法人は二〇〇四年四月、個人業者は〇五年一月から実施)。また、〇四年四月から販売価格に消費税をふくめる総額表示方式となったため、この業者も、あくまでも建前は売り上げに消費税がふくまれることになりました。

 しかし、納税が免除された業者が、消費税をいっさい払っていないわけではありません。その業者は、仕入れにかかった消費税分を、その仕入れ先に払っているからです。

 したがって、免税業者の場合も、価格に転嫁できない場合は、やはり利益からその分を持ち出すことになります。

事務軽減

 そもそも、特例措置による免税点制度が設けられたのは、中小零細業者の事務の煩雑さなどから本業ができなくなるのを防ぐのが目的でした。そのことについて、一九八九年消費税導入当時の大蔵省主税局長は、非課税業者が売り上げから仕入れ段階の消費税を差し引いた税額を計算することは、煩雑さのために仕事にならない場合がある、そのために「手間ひまがかからないようにしている」と説明していました。

 さらに、その当時、三千万円以下の業者数は七割近いが、売上額ではわずか2・9%にすぎないことも明言していました(『週刊東洋経済』八九年一月二十八日号、尾崎護主税局長)。

 特例措置にはもう一つ、簡易課税制度があり、〇三年改定で二億円だった限度額が〇四年四月から五千万円に引き下げられました。この制度も“事務の煩雑さ”を除くため、業種ごとに売り上げに占める「みなし仕入れ率」(別項参照)を定め、消費税の納入額を算出するというものです。(つづく)

 【簡易課税制度のみなし仕入れ率】卸売業90%。小売業80%。農林漁業、建設業、製造業など70%、飲食店業、金融・保険業など60%。不動産、運輸通信業、サービス業50%。


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