2006年8月16日(水)「しんぶん赤旗」

小泉首相が靖国参拝

終戦記念日に強行

国内外から強い批判


 小泉純一郎首相は十五日午前、東京・九段の靖国神社に、首相就任後、六年連続六回目となる参拝を強行しました。現職首相として終戦記念日の参拝は、一九八五年の中曽根康弘氏以来、二十一年ぶりの暴挙です。任期切れを前に小泉首相が最後まで靖国参拝に固執したことで、九月の自民党総裁選や次期首相の政権運営では、歴史逆行の誤りと日本外交のたて直しが、いっそう厳しく問われることになります。


 この日、小泉首相は、モーニング姿で神社本殿にのぼり、一礼する形式で参拝しました。「内閣総理大臣 小泉純一郎」と記帳し、私費で三万円の献花料を納めました。

 小泉首相の靖国神社への連続参拝には、中国、韓国はもとより、他のアジア諸国や米国でも批判が広がっていました。昭和天皇がA級戦犯の合祀(ごうし)に不快感を示したとされる富田朝彦・元宮内庁長官のメモも判明し、国内でも政財界を含め幅広い批判や懸念の声が強まっていました。

 小泉首相は参拝後、首相官邸で記者団に対し、「八月十五日を避けても批判、反発がある。いつ行っても同じだ。ならば、今日は適切な日だ」と開き直りました。

 また、自らの参拝への批判について“反論”。中国や韓国からの批判には、「意見の違いがあることで、首脳会談を行わないことがいいことなのか」と居直りました。A級戦犯が合祀されている問題では、「特定の人に参拝しているのではない」と弁解し、政教分離を定めた憲法に違反するとの指摘には、「思想および良心の自由をどう考えるのか」などと述べました。

 靖国神社は、戦前、日本の侵略戦争の精神的支柱とされた施設です。戦後は、日本の過去の侵略戦争を正当化する立場を広く宣伝するセンターとして知られています。首相の参拝は、同神社の歴史観を政府として認知することにつながる行為です。


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