2006年8月15日(火)「しんぶん赤旗」
首都圏139万戸停電
クレーン船高圧線接触 交通や営業混乱
十四日午前七時三十八分ごろ、東京都心部と神奈川、千葉両県の一部の計約百三十九万世帯で大規模な停電が発生しました。たった一カ所の送電線の損傷が、五カ所の変電所の安全装置を作動させて送電停止を拡大。JRや地下鉄など交通機関に影響が出たほか、ビルのエレベーターに人が閉じ込められる事故が相次ぎ、お盆休みの首都圏が大混乱しました。
停電は約三時間後、全面復旧しましたが、停電件数は一九八七年七月の二百八十万世帯に次いで過去二番目。首都圏の大規模停電は、九九年十一月に埼玉県狭山市で自衛隊のジェット練習機が墜落、送電線を切断した事故で約八十万世帯が停電して以来です。
地下鉄の東京メトロは一時、四路線で運転を見合わせ、約十万三千人に影響が出ました。都営地下鉄、東急電鉄田園都市線などが一時停止しました。
都中央卸売市場の世田谷、葛西、大田三市場では、生花のせりが相次いでストップ。再開までに約一時間―二時間半を要しました。千葉県浦安市のテーマパーク「東京ディズニーランド」では、開園時間が約五十分間、遅れました。
東京電力によると、東京都江戸川区と千葉県浦安市の境を流れる旧江戸川で、クレーン船が二十七万五千ボルトの高圧線に接触したのが発端とみられます。損傷した送電線は千葉、茨城方面から首都圏に電力を供給する基幹線「江東線」。三カ所で損傷していました。
千葉県警浦安署などの調べでは、クレーン船はしゅんせつ現場に向かう途中で長さ三十三メートルのクレーンを七五度の角度に上げ、高圧線に接触しました。操縦士は「橋をくぐる際に下げたクレーンを通過後に上げた。送電線に気付かずに接触してしまった」と話しているといいます。

