2006年8月10日(木)「しんぶん赤旗」

原水爆禁止06年世界大会・長崎決議

国連と各国政府への手紙


 九日、長崎市で開かれた原水爆禁止二〇〇六年世界大会・長崎が採択した「核兵器全面禁止条約締結へすみやかな交渉開始を―国連とすべての加盟国政府への手紙」(全文)は次の通りです。


 人類がはじめて核兵器の地獄を体験した広島と長崎に集まったわれわれは、国連とすべての加盟国政府が「核兵器のない平和で公正な世界」の実現のために行動するよう強く要望する。

 きょうもなお、国家の理不尽な武力と暴力による応酬が、市民の命を奪っている。誰もが戦火の拡大と新たな衝突に不安を募らせている。国連は、「言語に絶する悲哀を人類に与えた戦争の惨害から将来の世代を救う」決意(国連憲章)を想起し、紛争の平和的解決のために全力をつくすべきである。

 広島と長崎への原爆投下から六十一年、深刻な放射線障害をはじめ、被爆者の苦しみは消えることはない。あの惨劇を決してくり返してはならない。核兵器の使用は、人類に対する犯罪である。

 一部の大国が、「テロや拡散の阻止」を口実に核兵器すら使うことを検討し、新型核兵器を開発しようとしていることを、われわれは強く懸念する。

 いかなる理由であれ、新たな核保有の試みも受け入れることはできない。人類の生存を保障し、諸国民の安全を確保する唯一の道は、核兵器を全面禁止し、廃絶することである。

 国連が「原子兵器の各国の軍備からの廃絶」(国連第一号決議)を誓い合って、すでに六十年が経った。われわれは半世紀にわたり、核兵器廃絶を訴えてきた。この声は、同じ目標をめざす諸国政府の努力ともあいまって、いまや世界の大きな流れとなっている。国連総会は、いくたびも圧倒的多数の支持のもと、核兵器廃絶の目標を確認してきた。その実現は、核兵器国の決断と、諸国政府の行動にかかっている。

 われわれは、来るべき国連総会が、核兵器全面禁止条約の締結を主題とした決議を採択し、交渉をすみやかに開始すること、そのためにあなた方が尽力することを強く要請する。第四回国連軍縮特別総会の開催など、核兵器廃絶につながるさまざまなイニシアチブを歓迎する。

 われわれは被爆者とともに、あなた方が核兵器廃絶への実効ある一歩を踏みだすことを強く訴える。市民の運動、自治体、諸国政府がともに力をつくすならば、国連憲章がめざす平和で公正な世界秩序への展望は必ず切りひらかれる。貴国政府の勇気ある行動を要請するものである。

 二〇〇六年八月九日

 原水爆禁止二〇〇六年世界大会・長崎


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