2006年8月9日(水)「しんぶん赤旗」

無差別攻撃を宣言

イスラエル軍 リタニ川以南


 【カイロ=松本眞志】イスラエル軍は八日もレバノン攻撃を続け、七日夜から八日未明にかけて八十カ所に空爆を加えました。南部の地上部隊もビントジュベイルなどでイスラム教シーア派民兵組織ヒズボラと戦闘をまじえ、ヒズボラ兵十五人、イスラエル兵三人が死亡しました。

 イスラエル軍はまた、対レバノン国境から約二十キロ北方のリタニ川より南部の地域に空からリーフレットを配布し、同地域のすべての車両を空爆の標的とすると警告しました。カタールの衛星テレビ・アルジャジーラが報じました。メディアの車両や救急車も攻撃の対象とされます。

 ヒズボラ側も八日、アッコー、キリヤットシェモナー、ダンなどイスラエル北部諸都市をロケット砲で攻撃しました。イスラエル政府は同日、キリヤットシェモナーの住民一万七千人に対し、政府の補償で同市から退去するよう勧告しました。

 イスラエル紙ハーレツ八日付は、イスラエルのオルメルト首相が七日にペレツ国防相、ハルツ軍参謀総長らと会合を開いたと報じました。同軍は、リタニ川以南のヒズボラのロケット砲発射基地を制圧し、リタニ川以北で軍事作戦を拡大する案を提出しました。

 オルメルト首相は九日にも治安閣議を招集し、地上戦拡大を論議するとみられます。

「反撃の準備ある」

シリア外相

 【カイロ=松本眞志】シリアのムアレム外相は七日、イスラエル軍との戦争の準備はできていると発言しました。中東の通信社ミドルイースト・オンラインが八日に報じました。

 同外相は七日、アラブ緊急外相会議に参加するためにレバノン北部の都市トリポリに到着した際、記者団から紛争拡大の可能性を問われ、「域内戦争になれば望むところだ。シリアは準備を始めた。いかなるイスラエルの侵略にも反撃する」と答えました。


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