2006年8月7日(月)「しんぶん赤旗」
レバノン停戦安保理決議案
仏、米と合意し提示
イスラエルに軍事活動の余地
【ワシントン=山崎伸治】フランスのドラサブリエール国連大使は五日午後開かれた国連安全保障理事会の非公式協議で、レバノン情勢に関する決議案を提示しました。同日朝、米国のボルトン国連大使との協議で最終的に合意に達したものです。決議案は「(イスラム教シーア派民兵組織)ヒズボラによるあらゆる攻撃」とイスラエルによる「攻撃的軍事活動」の「即時中止」を求めています。
決議案をめぐっては、フランスが七月二十九日、「即時停戦」を求める草案を提示したのに対し、米国がイスラエルに配慮して反対。非公式の協議が続けられました。その結果、「攻撃的軍事活動」という言い回しで、イスラエルには自衛のための軍事活動を容認。捕虜の交換やイスラエルのレバノンからの即時撤退などは盛り込まれていません。記者団に対し、ボルトン氏は決議案が「融合したもの」と語り、米仏両国の妥協によるものであることを認めました。
これに対し、レバノンのマハムード特使は「現在レバノンにいるイスラエル軍の撤退の要求がない」と述べ、このままでは受け入れられないとの認識を表明。安保理非常任理事国のカタールのアルナッセル国連大使も修正が必要だとの見方を示しました。
この日の協議後、ドラサブリエール氏は、各国が本国に照会後に協議を再開すると説明。「決議案は前向きに受け止められた」と述べたものの、採決にはまだ時間がかかるとの見方が広がっています。

