2006年8月7日(月)「しんぶん赤旗」

原発推進政策を問う

吉井議員迎え 事故2年で講演会

福井


 国内原発史上最悪の十一人が死傷した、関西電力・美浜原発3号機(福井県美浜町)蒸気噴出事故(一昨年八月九日)から二年が経過するのを前に、原発問題住民運動県連絡会は六日、「原発問題を考える講演会」を敦賀市の男女共同参画センターで開き、八十人が参加しました。

 日本共産党の吉井英勝衆議院議員が、一昨年の事故や日本の原発が抱える問題について講演しました。

 吉井氏は国のプルサーマル利用計画について、すでに長崎型原爆五千六百発分のプルトニウム量が蓄積し、六ケ所村再処理工場の稼働後もプルトニウム量の収支が拮抗(きっこう)する計算になる国の資料を示し、「原発を進める限り、プルトニウムはなくならない」と批判しました。

 「原子炉を構成する鋼材などが長年にわたって中性子を浴び、どんどんもろくなっている」と、原子力安全保安院の同様の指摘も紹介し、老朽化する原発の危険性を指摘しました。

 吉井氏は、原発に代わる太陽光発電など再生可能エネルギーに潜在する可能性を強調しました。

 渡辺三郎・同連絡会常任幹事が、北陸電力・志賀原発2号機(石川県志賀町)運転差し止め金沢地裁判決について、住民側証人として証言した自身の経験や、原発の耐震性への警告を発した同判決の画期的意義を報告しました。

 十五基の原発が集中立地する県内嶺南地方の各地域で原発問題にとりくむ五人からも、使用済み核燃料中間貯蔵施設の誘致に反対する運動など、発言がありました。

 参加者は、国と西川県政の原発推進政策に強く抗議し、原発の危険に反対するたたかいの強化を県民に呼びかける決議を採択しました。

 福井市の男性(38)は「ここまで原発を福井県に集中させるべきではない」と語っていました。


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