2006年8月7日(月)「しんぶん赤旗」
いま 市民が起つとき
平和記念式典 広島市長が「宣言」
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照りつける強い日差しのもと、広島市主催の平和記念式典が六日、同市中区の平和記念公園で開かれました。秋葉忠利市長は「平和宣言」の中で、日本政府に「被爆者や市民の代弁者として、核保有国に対して『核兵器廃絶に向けた誠実な交渉義務を果せ』と迫る、世界的運動を展開する」ことを要求。そのためにも「世界に誇るべき平和憲法を遵守」するよう求めました。
核兵器に固執する国々を批判しつつ、心身をさいなむ傷病苦を乗り越えて体験を語り続けた被爆者の訴えが「心ある世界の市民に広がり力強い大合唱になりつつある」と強調し、“核兵器から自由になるために、市民が起(た)つときがきた”と述べました。
コフィー・アナン国連事務総長は代読されたメッセージの中で「核兵器から解放された世界」という課題こそ「国際連合の諸活動にとって基本的指針」と述べました。
市内の小学六年生二人は「ヒロシマのこどもは…『平和』の扉を開くため一歩一歩、歩み続けていく」と訴えました。
小泉純一郎首相は、首相就任以来の五回のあいさつで誓ってきた「平和憲法の遵守」の表現を今回、「憲法の平和条項を遵守」に言い換えました。
式典には、被爆者、遺族、市民、三十五カ国の政府代表ら四万五千人が参列。この一年間に死亡が確認された被爆者五千三百五十人の名前が納められ、原爆死没者数は合計二十四万七千七百八十七人になりました。また、「氏名不詳者多数」の言葉を添えた名簿も納められました。