2006年8月5日(土)「しんぶん赤旗」
世界青年のつどいに6カ国2100人
被爆体験、受け継ぐ
「第二回核兵器をなくそう・世界青年のつどいinヒロシマ」が四日、「継承」をテーマに、広島県立総合体育館小アリーナで開かれました。アメリカ、インド、カザフスタン、韓国、日本、フランスの六カ国から二千百人が参加し、被爆者の体験を聞き、活動を交流しました。
広島県被爆者団体協議会事務局次長の矢野美耶子さん(75)が「被爆の実相を学ぶ」と題して語りました。矢野さんは十四歳のとき、爆心地から四キロほどで被爆。「貧血でよく倒れるようになり、口内炎がたくさんでき、歯がボロボロと折れるようになった」。がんで父母を次々と失った矢野さん。時折、涙で声をつまらせながらの話に青年らは聴き入りました。
安斎育郎立命館大学教授は「日本のアニメはヒーロー頼み、時代劇はお上頼み。でも平和はそれじゃいけない」とのべ、平和をつくる主体になることを呼びかけました。
二〇〇一年のアメリカ同時多発テロで弟を失った「平和な明日をめざす9・11家族の会」のバリー・アムンソンさんは、テロに非暴力で対抗する必要性を強調しました。
神奈川県を中心に首都圏の青年らでつくる「原子力空母NO実行委員会」の青年(21)は、「シール投票」の結果を報告。七百人と対話し、「九割以上が原子力空母に反対でした」と紹介し「核の問題は青年の未来の問題」と語りました。
栃木県佐野市の女性(18)は、六月にカナダで開かれた世界平和フォーラムに参加。そのとき発言した被爆者のシャツの下の「ぼこぼこした皮膚」を見て、「原爆を実感した」といいます。「被爆者は、未来のためにつらい経験を話している。受け継いで伝えないわけにはいかない」と話していました。