2006年8月4日(金)「しんぶん赤旗」

核廃絶の運動交流

世界大会国際会議 イスラエルに強い批判


 広島市で開催中の原水爆禁止二〇〇六年世界大会・国際会議は二日目の三日、被爆者と核実験被害者、会場の参加者が交流し、力をあわせて核兵器廃絶に向かって進もうと誓いあいました。国際的非難を浴びているイスラエルのレバノン侵攻でも、民間人の無差別虐殺に対する強い批判や抗議がありました。

 二、三両日にまたがって開かれた「平和の国際ルールと日本国憲法九条」のセッション(会合)では、韓国のイ・ジョンキュ平和ネットワーク政策室長が、軍事力行使は問題解決ではなく大混乱と民間人虐殺につながると訴え、イラクとレバノンの例をあげました。カナダの世界平和フォーラム協会代表はレバノンでの即時停戦をデモ行進で訴えたことを報告しました。

 続いて開かれた「被爆・核被害者の実相の普及、支援と連帯」のセッションでは、在ブラジル被爆者の渡辺淳子さんや韓国の被爆者をはじめ、マーシャル、ロシア、カザフスタン、ポリネシアの核被害者が、被害の実相と補償、救援の現状を報告しました。

 二歳九カ月のとき広島で被爆した渡辺さんは、ブラジルで連絡できる被爆者百三十五人の高齢化が進み、帰国医療を受けられない現状をのべ、「日本政府はなぜ残りいくばくもない在外被爆者を救えないのでしょうか」と涙ながらに語りました。

 十年前まで三十年にわたりフランス核実験場となったポリネシアから参加したロラン・オルダムさんは、「ムルロアと私たち」という被害者団体の活動を報告。核実験場の元労働者ら八百五人が白血病など健康を害しており、フランス政府への補償を求める作業を始めているとのべました。

 午後は「すみやかな核兵器廃絶のための行動と共同」「平和の国際ルールと日本国憲法九条」「被爆・核被害の実相の普及、支援と連帯」の三つの分科会が開かれました。日本の被爆者を代表して発言した丹土美代子さんが、すぐれない体調をおして被爆体験と原爆症認定集団訴訟の原告になった思いを語り、感動をよびました。


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