2006年8月3日(木)「しんぶん赤旗」

庶民大増税なぜなぜ問答

住民税・所得税編5

Q「雪だるま式」負担増どうして高齢者に重く?


 住民税が増えると、連動して国民健康保険料や介護保険料の負担も「雪だるま式」に増えてしまいます。なぜでしょうか。

 国保料には所得割と均等割・平等割などがあります。所得割の計算方法は市町村によって違いますが、多くの市町村では「前年の所得―(マイナス)三十三万円」に保険料率をかけて計算します。公的年金等控除が縮小されると、所得が増えるため、国保料も増えてしまいます。

 所得が二十万円増えて保険料率が10%なら、保険料が二万円も増える計算です(実際には、経過措置があるので、今年は七千円、来年は一万三千円、再来年は二万円と段階的に増えます)。

 東京二十三区など大都市部では、「今年の住民税額」に保険料をかけて計算するところもあります。東京二十三区の場合、保険料率が182%ですから、住民税が一万円増えると国保料が一万八千二百円増えてしまいます。

 国保料の均等割・平等割にも、所得に応じた減額措置があり、公的年金等控除の縮小の影響で所得が増えると、減額措置が適用されなくなる場合があり、保険料が増えます。

 介護保険料は、住民税が課税か非課税かを基準にして、保険料の段階が変わります。このため、住民税が課税になると介護保険料も増えてしまいます。夫婦とも住民税非課税だった場合、夫が住民税課税になると、夫の介護保険料は二段階、妻の介護保険料も一段階上がることになります。介護保険料は、今年度からほとんどの市町村で基準額そのものも上がっていますから、二重の負担増になります。

 保険料率は市町村で違いますが、多くの場合、増税額より保険料の負担増が大きくなります。たとえば、さいたま市に住むCさん(七十一歳、独身、年収百八十万円)の場合、所得税・住民税はあわせて二万四千円の増税ですが、国保料は三万六千円、介護保険料は三万四千円も増えてしまいます。(つづく)

図

もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp