2006年8月2日(水)「しんぶん赤旗」

庶民大増税 なぜなぜ問答

住民税・所得税編4

Q 年金が月13万円でも課税されるの?


 東京都大田区に住むDさん(七十一歳、独身)は、「私の年金は、わずか月十三万円しかないのに、住民税の課税通知が来た」といいます。なぜでしょう。

 こんなことになったのは、一回目で説明した「公的年金等控除の縮小」「老年者控除の廃止」に加えて、「住民税の高齢者の非課税措置」が廃止されたからです。

 六十五歳以上の高齢者は、所得が百二十五万円以下なら、これまでは住民税が課税されませんでした。これが「高齢者の非課税措置」です。

 Dさんの場合、年収は百五十六万円、公的年金等控除百四十万円を引くと所得は十六万円で、百二十五万円より少ないので非課税でした。

 ところが、この非課税措置が今年から廃止されてしまいました。そうなると、高齢者にも若年者と同じ、次のような非課税限度額が適用されることになります。

 単身者の場合=所得割の非課税限度額は所得三十五万円以下、均等割は「生活保護一級地(東京など大都市部)」では所得三十五万円以下、二級地では三十一・五万円以下、三級地では二十八万円以下

 夫婦世帯の場合=所得割は百二万円、均等割は一―三級地でそれぞれ、九十一万円、八十一・九万円、七十二・八万円

 Dさんの場合、今年は公的年金等控除が百二十万円に縮小されたため、所得が三十六万円に増えてしまいます。大田区の非課税限度額は所得割・均等割とも三十五万円。Dさんの所得はこれを上回るため、住民税が課税になってしまうのです。

 もっとも所得から基礎控除や社会保険料控除を引いた「課税所得」はゼロなので、所得割は課税されませんが、均等割が課税されます。経過措置があるので今年は千三百円ですが、来年は二千六百円、再来年には四千円に増えます。

 Dさんは、「介護保険料や国保料、家賃や水光熱費、病院代を引いたら月四万円くらいしか残らない。食費もギリギリに切り詰めているのに、このうえ税金を払えなんて」とカンカンです。(つづく)

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