2006年8月2日(水)「しんぶん赤旗」

原子力空母の危険性論議

原水爆禁止06年世界大会 科学者集会開く


 原水爆禁止二〇〇六年世界大会・科学者集会(日本科学者会議主催)が一日、横浜市内で開かれました。全国から約百二十人が参加し、原子力空母の横須賀配備の危険性や、米軍再編と日米軍事同盟の問題など活発に討論しました。

 元駐レバノン特命全権大使で外交評論家の天木直人(あまき・なおと)さんが「米軍基地再編と日本外交」と題して講演しました。このなかで、イスラエル軍が子どもを含む市民を攻撃していることについて、「国際法違反であり、人道に対する罪だ」と批判しました。

 元中央大学教授の中嶋篤之助さん(核化学)は、原子力空母について「安全性の問題が、機密のベールに阻まれている」と指摘。そのうえで、特殊な核燃料(97%の高濃縮ウラン)を使用していると推定されることを紹介しました。

 世界大会の海外代表として来日した、米国の反戦活動家ジョセフ・ガーソンさんは、核兵器をめぐる米国の動きについて報告。琉球大学の亀山統一さんは、各地の基地問題を日米同盟全体からとらえることが大切だと問題提起しました。

 腹話術で被爆体験を語ったのは、神奈川県原爆被災者の会の春風みおさん(81)。広島の原爆で母を亡くした話を人形のタミちゃんに話して聞かせる様子に、会場は静まり返りました。

 弁護士の宮原哲朗さんは、被爆者・弁護士・科学者が共同して勝利判決を勝ち取った原爆症認定裁判の報告をしました。

 実行委員長の松川康夫さん(元中央水産研究所)は、核兵器と平和、温暖化、格差拡大社会の問題などをあげ、「科学者として、問題を真剣にとらえ何をすべきか考えよう」とよびかけました。

 集会では「憲法九条を世界に広め、平和と核兵器廃絶を実現しよう」と題するアピールを採択。広島、長崎、神奈川県逗子の各市長からの激励のメッセージが紹介されました。


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