2006年7月26日(水)「しんぶん赤旗」

保険料不正免除

年金制度改善は急務

国公労連などシンポジウム ノルマ主義に批判


 「社会保障・年金制度の今を考える〜保険料免除問題はなぜおきたのか」と題したシンポジウムが二十五日、東京・星陵会館でおこなわれました。国公労連と厚生共闘(全日本国立医療労働組合、全厚生労働組合)が主催しました。

 社会保険庁「改革」と称して政府は、同庁が一体的に運営してきた政府管掌健康保険と国民年金を分離し、民間委託などの手法を使って保険料の値上げや徴収強化をねらっています。そうしたなかで起きたのが保険料の不正免除問題でした。

 パネリストからは、制度を改善しないまま収納率向上だけを強める政府の姿勢を問う意見が相次ぎました。

 国学院大学の小越洋之助・教授は「小泉『構造改革』路線で国民の負担を増やし、不安定で低賃金の労働者を増やしてきた。貧困と格差拡大―保険料が払えない人が激増する責任は政府にある」と指摘しました。

 専修大学の唐鎌直義教授は、年金給付がまともな生活ができない低水準で、低所得者ほど保険料負担が大きいなど制度の欠陥を指摘し、「未納者増大は国に責任がある。やるべきは最低保障年金制度の確立だ。職員に責任を負わせても解決しない」とのべました。

 全厚生労組の飯塚勇副委員長は、不適正な行政運営は許されないと強調したうえで、「民間損保出身の長官が収納率ノルマ主義を持ち込み、分限免職(解雇)や人事評価を打ち出して職員を収納率向上に走らせたことが問題だ」と語りました。

 参加者からも「成果主義で競争させ、保険料不払いを引き起こした民間損保と同じ構造だ」「社会保障が壊されてしまう。年金など生活の最低限保障こそ必要だ」などの意見が出されました。


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