2006年7月26日(水)「しんぶん赤旗」

労働組合と団交を

INAX子会社に命令

大阪府労働委


 大阪府労働委員会は二十四日、住宅設備会社INAXの子会社INAXメンテナンス(本社・愛知県常滑市)が業務委託契約をしているカスタマーエンジニア(CE)でつくる労働組合との団体交渉を拒否しているのは不当労働行為だとし、団体交渉に応じるよう命じました。

 INAXメンテナンスは親会社のINAXの製品である住宅設備機器の修理を主な業としており、正社員は約二百人。CEは同社と個人業務委託契約を結んで修理業務に従事する労働者で約五百七十人おり、正社員の三倍となっています。命令書によるとCEは〇四年九月、全日本建設交運一般労働組合建設一般合同支部INAXメンテナンス近畿分会を結成(現在、組合員約五十人)。団体交渉を求めましたが同社は、「(CEは)独立した個人事業主で労働組合法上の労働者ではない」として拒否してきました。

 府労委命令は、「労働組合法上の労働者とは、使用者との契約の形態やその名称のいかんを問わず、雇用契約下にあるものと同程度の使用従属関係にあるものというべき」と指摘。同社の主たる業務はCEが担い、会社が一方的に決定した条件のもとで会社の指揮監督に従って労務を提供していることなどを示し、「労働組合法上の労働者と認められる」としました。

 同日、組合側は声明を発表。CEのようなあいまいな雇用関係下で労働諸法の保護から排除されている労働者が多く存在するなかで、「こうした労働者を励まし、自らの権利として労働条件改善のために団結してたたかうことの重要性を認めた大きな意義がある命令」としています。

 山下英保分会委員長(45)は、「勝利命令はでましたが、まだ一つの大きな山を越えた段階。これからもご協力よろしくお願いします」とのべました。

 二十五日本紙の問い合わせに対し同社は、「担当者がいまいないのでお答えできない」と答えました。


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