2006年7月21日(金)「しんぶん赤旗」

NTT過労死裁判

控訴審でも全面勝訴

弁護団 「労災申請者に励まし」


 「NTT奥村過労死裁判」の控訴審判決が二十日、札幌高裁であり、一審判決を全面的に支持する原告勝訴の判決がだされました。

 二〇〇二年に亡くなったNTT職員、奥村喜勝さん=当時(58)=の過労死をめぐり、妻の節子さんが奥村さんの死の原因と責任を明らかにすることを求めている裁判。

 札幌地裁では、喜勝さんをリストラに伴う研修に参加させたこと自体が過失であり、会社の不注意であること、長時間・過密労働という実態がない場合でも、過労死を労働の質を基準に判断したことなど画期的な原告勝訴の判決となりました。

 閉廷後の集会で、高崎暢弁護士は「一審判決をよりすすめる形で、精密な判断をした評価できる画期的な判決であり、過労死問題でたたかっている全国の原告の人たち、労災申請をしている人たちに大きな励ましを与えることができる判決だ」と報告。「NTTは、司法の判断によって二度敗れたことに対し、真摯(しんし)に反省し判決を謙虚に受け止めるべきです。上告することなく早く遺族を苦しみから解放してほしい」と述べました。

 原告の奥村節子さんは「多くの仲間に助けられながら本日を迎えることができた。『控訴棄却』という言葉を自分の耳で聞いて『ああ、勝ったんだ』と実感できてうれしく思います」と感謝の気持ちを語りました。


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