2006年7月21日(金)「しんぶん赤旗」
沖縄に迎撃ミサイル
年内配備首長反発
日米両政府は二十日、弾道ミサイルを迎撃する地対空ミサイル・パトリオット(PAC3)を、米軍が今年十二月末までに、沖縄県の米軍嘉手納基地と同嘉手納弾薬庫地区に配備すると発表しました。防衛施設庁の北原巌男長官は同日、沖縄県や関係市町村を訪問して理解を求めましたが、各首長からは反対の声が相次ぎました。
PAC3は「ミサイル防衛」(MD)システムの一環で、国内への配備は初めて。同基地にはPAC3と対航空機・巡航ミサイル用の迎撃ミサイル(PAC2)が計二十四基配備される計画です。
これに伴い、米テキサス州フォート・ブリス陸軍基地から兵員約六百人、家族約九百人が沖縄に移駐。八月から九月にかけて人員と機材が配置され、年末までに一部運用を開始する予定です。
県庁で北原長官から説明を受けた稲嶺恵一知事は「地元の負担の軽減が具体的に実施されない中で、配備が先行することは遺憾である」と表明。一方、「飛行訓練の移転が実現すれば配備に賛成するのか」との記者団の質問に対しては「その時に考えたい」と述べるにとどまりました。
嘉手納町の宮城篤実町長は「防御装置と言えど、地域住民にとっては精神的、物理的な負担を感じる。ミサイルは米軍側の施設を守るということが趣旨で、結果としてわれわれのためになるということでは納得できない」と反対を表明しました。
沖縄市の東門美津子市長は「ミサイル配備で、嘉手納基地が軍事目標化されるという不安も、市民の負担の一つだ。負担の軽減と言いながら逆行している」と厳しく批判しました。