2006年7月18日(火)「しんぶん赤旗」
米軍機訓練の移転候補地
夜間訓練 今でも年80日
紙議員に防衛庁
在日米軍再編で米軍機訓練の移転が計画されている全国六つの基地で、自衛隊機による夜間訓練の日数がそれぞれ年間約八十―百日に上り、ほぼ四日に一日の割合で実施されていることが分かりました。日本共産党の紙智子参院議員に防衛庁が明らかにしました。米軍機訓練の移転が強行されれば、こうした夜間訓練もいっそう拡大することになります。
日米両政府は在日米軍再編で、嘉手納(沖縄県)、三沢(青森県)、岩国(山口県)の各米軍基地で実施している米軍機訓練の一部移転で合意。五月の「最終報告」で、移転先として千歳(北海道)、百里(茨城県)、小松(石川県)、築城(福岡県)、新田原(宮崎県)の各航空自衛隊基地と三沢基地(空自部隊との共同使用)の計六基地を明記しました。
防衛庁は紙議員に、この六基地で自衛隊機が夜間、早朝、休日に実施した訓練の日数と機数を明らかにしました(表)。
それによると、二〇〇五年度の夜間訓練の日数は、千歳・八十日、三沢・八十日、百里・九十三日、小松・八十二日、築城八十九日、新田原・九十日。夜間訓練を実施した自衛隊機数は、どの基地も一日当たり十数機にのぼります。
防衛庁は、これらの基地に移転を計画している米軍機訓練でも、夜間や早朝、休日の訓練を認める考えを示しています。
築城基地を抱える行橋市、みやこ町、築上町は四月、防衛庁に対し「地元から休日や深夜は訓練を控えてほしい等の要望をした場合、米軍はこのような地元の要望に配慮してくれるのか」と質問しました。これに対し同庁は「訓練の時間帯や飛行経路などについては、航空自衛隊と同様の態様」と回答(五月)しています。
「空自と同様の態様」ということは、夜間や早朝、休日の訓練も同じ頻度で実施するということです。基地周辺の住民は、自衛隊機の訓練に「騒音被害はもう限度を超えている」との声を上げています。米軍機訓練の移転は、今でも耐え難い爆音をさらに深刻にすることになります。
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