2006年7月16日(日)「しんぶん赤旗」

広島5市が基地シンポ

岩国への米艦載機ノー

「基地頼りの発展は邪道」


 在日米軍再編で米空母艦載機部隊の移転が計画されている米軍岩国基地に近い広島県の五市が十五日、「岩国基地増強問題を考えるシンポジウム」を、同県廿日市市で開きました。「はつかいち文化ホール」の会場は、約千百人の市民でいっぱいに。移転計画の撤回を強く求める緊急アピールを会場の大きな拍手で採択しました。

岩国市長が講演

 主催は広島市、三次市、大竹市、廿日市市、江田島市の五市でつくる実行委員会。艦載機移駐で、これまで以上に爆音や事故などの危険が強いられることから、この問題を市民とともに考えようと開かれました。

 岩国基地を抱える山口県岩国市の井原勝介市長が基調講演し、移駐計画を引き換えにした振興策について「これまでも基地があることで振興策がつぎ込まれてきたが、それで岩国がすばらしく発展したのか。基地を頼りにした発展は邪道だと思う」と批判。「民意を尊重し(計画を)撤回させるよう最大限努力するのが私の責任だ」と述べました。

 シンポでは今中亘・中国新聞社顧問が進行役に、パネリストとして秋葉忠利広島市長、山下三郎廿日市市長、関太郎広島県・廿日市市文化財保護審議会委員、宮島の吉田正裕大聖院座主(ざす)、本田幸男大竹市阿多田島自治会長が壇上に並びました。

 秋葉氏は「国防は国の専管事項」として基地強化を押しつける論理について「新しい世界、未来をつくるために尊重されなければならないのは、市民の声、都市の声、私たちの声だ」と力説。吉田氏は、爆音による修行への影響などをあげながら、「大変強い危機感を持っている」と強調。山下氏は「住民の安心・安全を守るのが自治体、われわれの責務だ」と述べました。

 最後に入山欣郎大竹市長が緊急アピールを提案しました。

 両親に誘われて参加した会社員(29)=廿日市市=は「今だけでなく、将来のことも考えなければいけない。安心・安全が脅かされるのはイヤです」と話していました。


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