2006年7月15日(土)「しんぶん赤旗」
トンネルじん肺
国は控訴せず救済を
炎天下、原告ら座り込み
![]() (写真)控訴断念を訴える全国トンネルじん肺根絶訴訟原告ら=14日、東京・厚生労働省前 |
トンネルじん肺発生で国の責任を認めた東京地裁と熊本地裁の二つの判決を受け、全国トンネルじん肺根絶訴訟原告団・弁護団・家族会らは十四日、川崎二郎厚労相との話し合いと控訴断念を求め、厚生労働省前で座り込んで、じん肺根絶をアピールしました。
気温三〇度を超える炎天下、全国十一地裁に提訴した原告らが厚生労働省前に結集。じん肺患者との話し合いを拒んでいる厚労省にたいし、「判決を正面から受け止め、国は控訴するな!」「交渉に応じよ」などと抗議の声を上げました。
原告団の飯干健二副団長(70)=福島県二本松市=は「金銭が目的で座り込んでいるわけではありません。私たちのようなじん肺患者を出してはいけないという思いで裁判に立ち上がった。死ぬ思いで根絶を訴えてきた。その思いを厚生労働省はくみ取ってほしい。国は控訴しないで、一日も早くじん肺をなくす対策を練ってほしい」とマイクを握ります。
同訴訟第二陣原告団の佐藤安男団長(63)=北海道函館市=は「北海道から九州までの原告がここに参加している。厚生労働省は真剣に東京地裁と熊本地裁の判決を受け止め、控訴の考えを捨ててください」と、思いをぶつけます。
同日午後には、同原告団・弁護団の代表ら十二人が、トンネル工事発注者の農水省の担当者に会い、控訴断念とじん肺根絶の具体的対策を検討するよう要請しました。


