2006年7月14日(金)「しんぶん赤旗」

対北朝鮮

中ロが非難決議案

制裁措置は盛り込まず


 【ワシントン=山崎伸治】北朝鮮のミサイル発射をめぐる国連安全保障理事会の非公式協議は十二日も続けられ、中国とロシアが新たな決議案を共同で提示しました。ミサイル発射を非難し、北朝鮮に核開発の中止を求めています。日本などが提出した決議案にある、北朝鮮に対する制裁措置は盛り込んでいません。

 協議終了後に記者会見したロシアのチュルキン大使は、同決議案について「中国が提示した議長声明案の要素と、日本などが提出した決議案の要素を盛り込んだものだ」と説明。「安保理としての結束した強固なシグナルの基礎となると考える」と述べました。

 中国の王光亜大使は「安保理を結束させるには、中国が提案した議長声明という形式が最善だと考える」と改めて述べたうえで、決議案はミサイル発射に対応し、安保理の結束したメッセージを示すものだと強調。「日本案が修正されないまま投票に付されれば、拒否権を発動する」と明言しました。

 日本の大島賢三大使は中ロが決議案を提出したことについて、「(議長声明から決議へと)形式の点で態度を大きく変えたものだ。正しい方向に一歩踏み出したもので歓迎する」としつつも、中身については「重要な問題で(日本案とは)大きな隔たりがある」と述べました。

 米国のボルトン大使は中ロ案について、憲章第七章にふれていないこと、北朝鮮のミサイル発射と核開発が「国際の平和と安全に対する脅威」だと認定していないことなどを指摘しました。その一方、議長声明から決議へとなった点を評価し、「喜んで議論する」と決議案の調整に意欲を示しました。


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