2006年7月13日(木)「しんぶん赤旗」
オスプレイまた事故
大西洋上空エンジン停止
沖縄新基地配備狙う
沖縄への配備が計画されている米海兵隊の最新鋭垂直離着陸機MV22オスプレイが十日、英国に向かう途中でエンジン停止事故を起こし、アイスランドに緊急着陸したことが分かりました。米紙ダラス・モーニング・ニュース十一日付(電子版)が報じました。事故の原因は明らかにされていません。
オスプレイは、実戦配備が始まった三月にも、整備後の点検中に機体が突然浮上、墜落する事故を起こしたばかりです。沖縄の米海兵隊普天間基地(宜野湾市)に代えてキャンプ・シュワブ沿岸部(名護市)に建設が計画されている新基地への配備も予定されています。今回の事故は沖縄の新基地建設計画の危険性を改めて示すものです。
オスプレイがエンジン停止事故を起こしたのは、英国での国際航空ショーに向かう途中でした。大西洋を越える必要があるため、米海兵隊は六月に、米本土の東海岸から西海岸までの準備飛行も行い、成功を大々的に宣伝していました。
ところが、英国に向かった二機のうち一機の「エンジン内のコンプレッサー(圧縮機)が停止」(同紙)し、アイスランドに緊急着陸。代わりのエンジンを同国に運び、取り換えることになるとしています。
同紙は、今回の事故について「海兵隊が(オスプレイの)海外への『自力展開』能力のデモンストレーションと見なしていた飛行旅行にとって、ありがたくないスタートとなった」と皮肉り、「二機のオスプレイが二〇〇〇年に墜落事故を起こし、二十三人の海兵隊員が死亡した後、ほとんど生産中止になるところだった」と指摘しています。