2006年7月11日(火)「しんぶん赤旗」
石原都政変える
ネットワークづくりを
都立の大学を考える都民の会総会
教員の大量流出など批判
石原都知事による一方的な都立大学解体・首都大学設置に反対して、都立大関係者や都民でつくる「都立の大学を考える都民の会」の総会が九日、文京区内で開かれ、来年の都知事選挙を前に東京都政変革のためのネットワークづくりに取り組むなどの方針を採択しました。
金子ハルオ同会代表委員(都立大名誉教授)は「大学にふさわしくないつぶし方をしてできた新大学は『困難を抱えることになる』と、私たちが予測したようになっている。都民の声に耳を傾けながら、社会をよくしていこうという運動の一環として、息長くやっていきましょう」とあいさつしました。
金子勝慶応大学教授が「都政の転換と都立の大学問題」と題して記念講演。「世界の各都市は、どれだけ人材を集められるかを競っている。そのためには移民も含め、寛容でなければ人は来ない。能力のある中国人が石原知事のいる東京に来たいとは思わない。石原氏がいる限り、東京は遅れた都市になる。しかし、都民の中にはまだまだ石原都政の実態が広まっていない。政策の根本のところで暴いていかなければ」と語りました。
総会の討論では、「昨年四月の新大学開学までに百九十四人、二〇〇五年度は五十人の教員が辞めるなど教員の流出が激しく、責任ある指導ができない状態」、「日野キャンパス(システムデザイン学部)では、防衛大学出身教員が学部長補佐になり、校舎に入隊募集ポスターが張られたり、制服を着た自衛隊員が説明会を開いたりしている」などの現状が報告されました。