2006年7月7日(金)「しんぶん赤旗」

北朝鮮のミサイル発射


「冷静と自制」呼びかけ

中国報道官 発射には「留意」

 【北京=菊池敏也】中国外務省の姜瑜報道官は六日の記者会見で、北朝鮮のミサイル発射に「重大な関心」を示した劉建超報道官の五日の談話をふまえつつ、関係各国に「冷静と自制」を呼びかけ、「情勢の緊張と複雑化を招く行動」を再びとらないよう求めました。

 北朝鮮外務省報道官が六日、ミサイル発射を認めたことに対しては、「留意」を表明しました。

 同報道官は、中国が関係各国と緊密に連絡をとっていると述べつつ、ヒル米国務次官補が七日に訪中し、協議することを明らかにしました。六カ国協議議長の武大偉外務次官が十日から訪朝に出発する回良玉副首相に同行し、北朝鮮側と協議することになっています。

 同報道官はまた、北朝鮮の楊亨燮・最高人民会議常任副委員長の率いる友好代表団が十一日から五日間の日程で訪中すると述べました。

 姜報道官は、六カ国協議のプロセス推進に努力する方針を改めて確認。「対話と協議が問題解決の有効な方式であることは実践が証明している」として、外交的努力で情勢の緩和をはかる必要性を語りました。

6カ国協議枠が最善

米大統領

 【ワシントン=山崎伸治】ブッシュ米大統領は五日午後、グルジアのサーカシビリ大統領との会談後の記者会見で、北朝鮮によるミサイル発射について初めてコメントし、「この問題を外交的に解決するための最善の方法は、北朝鮮に話しかける国が一つにとどまらないことだ」と述べ、六カ国協議の枠組みで働きかけていくことを強調しました。

 ミサイル発射について「十分に予測できた」と述べましたが、発射の意図については「まだ分析中だ」と述べました。

 同日午前、トルコのギュル外相との会談後に記者会見したライス米国務長官は、「北朝鮮が行ったこの挑発行為に世界中から懸念の表明があった。北朝鮮は国際社会の団結が変わらないということを誤算していたかもしれない」と指摘しました。

 六カ国協議の首席代表を務めるヒル国務次官補(東アジア太平洋担当)も同日昼の米CNNテレビとのインタビューで、「外交が問題解決の最善策であることは明らかだ」と指摘。六カ国協議を通じて「われわれは彼ら(北朝鮮)と話し合うことができる」と強調するとともに、同協議での中国の役割に期待を表明しました。

 ヒル氏は六日から十一日まで、中国、韓国、日本、ロシアを訪問します。


もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp