2006年7月4日(火)「しんぶん赤旗」

原子力空母を考えるQ&A ◇上◇

長期作戦を可能に


 日米両政府は二〇〇八年六月をめどに、米海軍横須賀基地(神奈川県)の通常型空母キティホークに代えて、原子力空母ジョージ・ワシントンを配備しようとしています。九日には、原子力空母の配備阻止、米軍再編「合意」の撤回を掲げて「7・9首都圏大集会」が横須賀で開かれます。原子力空母とは何か、その配備の狙いや問題点などについてQ&Aで考えます。


 Q:そもそも米空母とはどんな船で、何をしているのですか。

 最大で全長三百三十三メートル、船底からマストまでの高さは二十四階建てのビルに匹敵する巨大な艦船です。約八十機の艦載機とイージス艦、潜水艦などを従え、大規模な軍事作戦ではつねに中心になり、米国の「力の象徴」になっています。

 横須賀の空母は一九九一年の湾岸戦争、二〇〇一年の対テロ報復戦争、〇三年のイラク戦争に真っ先に出動しました。

 ジョージ・ワシントンは過去十五年間で、海外での大規模作戦への参加回数は米空母のなかでトップの七回です。イラク西部ファルージャでの住民虐殺作戦や、今年四―五月には米艦隊を率いてカリブ海に出動し、ベネズエラなど中南米の革新政権への軍事威嚇を行いました。

 Q:原子力空母は通常型空母とどう違うのですか。

通常型空母は重油を燃料としています。原子力空母は核分裂生成物(ウラン)を含む固体金属を燃料にしており、艦内には二つの原子炉があります。熱出力は軍事機密となっていますが、日本の商業炉一基分(約百万キロワット)に匹敵するといわれています。

 通常型空母のように大量の燃料を貯蔵する必要がなく、艦載機のための燃料搭載量が二倍以上に増え、戦闘機が使用する兵器の搭載スペースも増大しています。

 乗組員の生活物資もより多く積載できるため、より長い期間、作戦を継続できます。

 Q:なぜ横須賀に原子力空母を配備するのでしょうか。

米軍は原子力空母十隻、通常型空母二隻を保有していますが、昨年、通常型空母を全廃し、原子力空母十一隻態勢とすることを決定しました。

 横須賀にはこれまで三隻の空母が配備されましたが、いずれも通常型でした。日本への原子力空母配備については、米議会調査局が昨年一月に公表した報告書で、「根強い反核感情のため、…かなり大きな世論の反対に直面することになるだろう」と指摘しています。

 しかし、横須賀は米戦略できわめて重要な位置を占めているため、原子力空母配備を強行しようとしているのです。

 空母が米西海岸からアジア地域に到達するのに三―四週間かかりますが、横須賀に空母を置けばこの移動時間を大幅に短縮でき、アジア太平洋や中東地域にすばやく軍事介入できます。

 加えて、米海軍は太平洋地域重視の戦力配置を進め、西太平洋での空母二隻態勢も計画しています。この中で、米軍は横須賀を先制攻撃の一大拠点として、いっそう強化しようとしています。(つづく)


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