2006年7月3日(月)「しんぶん赤旗」

主張

首都の米軍基地

世界に例ない異常をなくそう


 米軍専用基地は全国八十七のうち、東京、神奈川、埼玉、千葉には二十六もあります。そのうち首都・東京には横田基地など八つもあります。

 戦後六十一年もたつというのに、いまだに首都に外国軍の基地があること自体、世界に類例のない異常です。日米両政府が、基地早期返還の都民の願いに反して、基地を恒久化し、基地機能を強化することは許せません。

世界の戦場に直結

 横田基地、大和田通信所、多摩サービス補助施設など東京の八つの基地の総面積は約千三百二十万平方メートルで、墨田区に相当します。そのうち横田基地は約七百十七万平方メートルで、東京ドームの約百五十七倍、旧田無市や狛江市よりも広い面積を占めています。

 首都・東京は政治の中心地です。その首都にこれほどの広大な外国軍基地を認めていることに、日本政府は苦痛も感じていません。首都の基地を削減することなど問題にする意思もありません。アメリカいいなりを第一とする日本政府の異常ぶりを示すものです。

 横田基地は、アメリカの侵略戦争を進めるうえで中心的な役割を果たしてきています。在日米軍司令部、第五空軍司令部があるほか、C130輸送機など二十機程度の常駐機と巨大輸送機C5や各地の戦闘機などが利用する中枢基地です。

 イラク戦争でも、横田基地から空軍の整備・通信・建設・医療要員が派兵され、空からの攻撃を支えています。米本土と戦場との輸送中継拠点として、軍事物資や兵員を大量輸送していることがイラクやアフガニスタンでの戦争を進めるテコになっています。こんなことをいつまでも続けさせるわけにはいきません。

 日米両政府は、都民の願いとは逆に、首都の基地を恒久化し、横田基地の戦争機能を拡大・強化しようとしています。

 米空軍は「迅速かつ同時に展開できる能力」を追求しており、横田基地の戦略的役割はいっそう強まるばかりです。また、第五空軍司令部と航空自衛隊総隊司令部の「共同統合運用調整所」創設で日米一体の共同作戦は飛躍的に強まります。

 首都・東京を「日本防衛」と無関係のアメリカの地球的規模の戦争の足場にさせてはなりません。

 横田基地が都民の生活と安全を脅かす元凶になっていることも重大です。立川、昭島、福生、武蔵村山、羽村の各市と瑞穂町でつくる横田基地周辺市町基地対策連絡会は二月、政府に提出した要望書で、「周辺地域住民は昼夜を分かたぬ航空騒音に悩まされ続け、いつ発生するかわからない事故に不安な毎日を送っています」とのべています。周辺一キロ圏の平均人口密度が五千八百人という人口密集地の真ん中に基地があることがそもそも間違っています。基地の縮小・撤去の要求は当然です。

撤去の声強めるとき

 首都圏の住民は、先の戦争で言語に絶する悲惨な体験をしています。都民は「東京大空襲」などで十二万人もの犠牲をだしました。

 戦争をくりかえさせないと決意し、憲法九条で戦争を放棄した日本国民が、首都をはじめ国土を罪のない人々を殺傷する攻撃作戦を支える足場にすることを許せるはずがありません。米軍再編に反対し、首都と首都圏から米軍基地をなくすことがきわめて重要です。

 「首都圏に基地は要らない」の声を政府に示すうえでも、7・9首都圏大集会の成功は重要です。


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