2006年7月3日(月)「しんぶん赤旗」

家計簿は告発する

膨れる住民税 老人いじめだ

米軍には3兆円 頭にくる


 「住民税が九倍だよ。ほんと高齢者からのふんだくりだよ。年寄りは死んじまいなっていわれているみたいだ」。男性(79)=神奈川県茅ケ崎市在住=は怒ります。

 自民、公明両党と小泉内閣が決めた住民税増税によって六月から住民税が五万三千円に。昨年度の五千九百円に比べると、税額は一気に九倍に膨れ上がりました。

 「年金は昨年より減ってんだよ。それなのに税金が上がるなんてさ」と男性。思わず市役所に問い合わせました。

 「市役所の職員も大変だっていっていたね。自民、公明のせいで、犠牲にされるのはいつも庶民だよ」

 東京都練馬区に住む高田勝さん(86)=仮名=は、昨年度に比べ住民税が約三倍になりました。連動して国民健康保険料、介護保険料も引き上げられました。

 住民税は約一万九千円から約六万一千円に四万二千円も増税。介護保険料は昨年度の約四万九千円から今年度は約七万一千円になりました。昨年度約十万円だった国保料は今年度約十四万円まで引き上げられました。

 「高齢者いじめの政治に怒りを感じる」と語る勝さん。「こんな老人から搾り取っていくんだから、恐ろしい政治だよ」。勝さんの話に、妻のキヌ子さん(83)=仮名=もうなずきました。

 公的年金等控除の縮小と老年者控除の廃止による年金課税強化、高齢者の住民税非課税限度額の廃止、定率減税の半減。六月から影響が表れた小泉自公内閣の住民税増税は、約五百万人の高齢者に影響(政府推計)を及ぼしています。

 増税規模は年金課税強化と非課税限度額の廃止で約千六百億円(同)。定率減税半減を合わせると、約五千五百億円(同)に達します。

 在日米軍への「思いやり予算」(在日米軍駐留経費負担)は約二千三百二十六億円(二〇〇六年度予算)です。さらに、米政府当局者は、米軍再編のための日本負担は約三兆円になるといいます。

 庶民には増税と社会保障改悪の痛みを押し付ける一方、アメリカや大金持ち、大企業には大盤振る舞いの小泉内閣。男性は「私らからは搾り取るのに、米軍(再編)にポンと三兆円出そうというのか。頭にくるよ」と憤りました。(山田英明)

表

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