2006年6月30日(金)「しんぶん赤旗」
「世界の中の日米同盟」明記
首脳会談で共同文書
軍事協力の「深化」強調
【ワシントン=山崎伸治】小泉純一郎首相とブッシュ米大統領は二十九日午前(日本時間同日深夜)、ワシントンのホワイトハウスで首脳会談を行いました。会談後(日本時間三十日未明)に、「新世紀の日米同盟」と題する共同文書を発表しました。
共同文書では初めて「世界の中の日米同盟」を明記。「テロとの闘い」などを「(日米)共通の利益」とし、アジア太平洋地域をはじめ地球規模での日米協力を強調しています。
イラク戦争直後の二〇〇三年五月に日米首脳会談で確認した「世界の中の日米同盟」を共同文書に明記することで、地球規模に拡大した日米軍事同盟のいっそうの強化を今後の日米関係の基本方針として定式化するのが狙いです。
文書では、在日米軍と自衛隊に関する再編合意や「ミサイル防衛」協力、有事法制の整備を挙げ、日米軍事協力が「深化」したと評価。ブッシュ大統領は、インド洋とイラクへの自衛隊派兵を「称賛」しました。
また文書では、「強固な日米協力」が、中国の責任ある対応を促し、北東アジアの平和と安定に資するとの考えを強調しています。
北朝鮮に対して、〇五年九月の六カ国協議で確認された「非核化」の約束履行、〇二年九月の日朝平壌宣言に明記されたミサイル発射実験の凍結(モラトリアム)を順守するよう求め、拉致問題にも言及しています。
イランの核開発問題では、日米両国が歩調を合わせて、国連安保理常任理事国とドイツが提示した「包括案」の早期受諾を促す方針を示しました。
小泉首相の訪米は〇五年九月以来で、今回が初めての公式訪問となります。日米首脳会談は昨年十一月の京都以来で、国際会議などでの機会を除けば、小泉首相として八回目の会談です。