2006年6月23日(金)「しんぶん赤旗」

福井日銀総裁

「利殖批判もっとも」

衆院委 陳謝するも辞任拒否

　衆院財務金融委員会に二十二日、参考人として招致された日銀の福井俊彦総裁は、村上ファンドでの運用益が多額にのぼったことについて「振り返って高利回りの利殖に走ったとの批判はもっともであり、深く反省している」とあらためて陳謝しました。しかし「完全に職責をまっとうさせてほしい。今後の金融政策に全力を尽くしたい」と辞任しない考えを強調しました。

　福井総裁はまた、村上ファンドへの資金拠出と株式五銘柄以外に、金融資産として投資信託を保有していることを明らかにしました。

　村上ファンドに出資してきたオリックスの宮内義彦会長との関係については、「個人的には非常に親しい。ただこの村上ファンドへの拠出、マネージメントに関して宮内さんと話をした経験は不思議にも一度もない」などと語りました。

　また、福井氏は、二〇〇一年に解散した最初の投資事業組合の分配金二百四十二万円を受け取ったことについて、「確かに少し大きな金額だなあと思った」と答弁。その後さらに次の投資事業組合の契約に進んだ理由を問われ「村上氏が本格的な活動をするためにファンドに目鼻がつく状況になり、これからが本格的スタートだと認識した。村上氏の当初の志が維持されるならば、成果が出てくるのもそれ以降だと考えた」とのべました。