2006年6月22日(木)「しんぶん赤旗」

「君が代」不起立を敵視の

教育長が発言撤回

埼玉・戸田


 埼玉県の戸田市の伊藤良一教育長が、市内の小中学校の入学式や卒業式で「君が代」斉唱のときに起立しない保護者や来賓について「腹が煮えくりかえる」とのべたことについて、市議会最終日の二十一日の本会議で、伊藤教育長は「一部に誤解を招いたことをおわび申しあげ、取り消しさせていただきます」とのべました。

 問題の発言は、十三日の市議会一般質問への答弁のなかで、起立しない来賓や保護者がいることは「腹が煮えくりかえるほど怒っている」「内心の自由も結構だが、規律を乱すようなことがあってはならない」とのべたもの。同日はまた、事実なら何らかの措置をとるとして調査する考えを示しました。この答弁についても二十一日、「強制力をもたない事実把握」「照会という意味」と釈明しました。

 十三日の質問者は民主党の高橋秀樹議員。高橋議員は、「愛国心」教育をもりこむ教育基本法改定に同調したうえで、伊藤教育長にたいし保護者や来賓にも起立を徹底するよう求め、実態調査を繰り返し督促しました。

 発言は波紋を広げ、民主団体が撤回を要求。日本共産党市議団も撤回を申し入れ、街頭宣伝で市民に問題の重大性を知らせました。こうしたなかで市議会最終日に急きょ、事態の鎮静をはかり、発言のうち「煮えくりかえる」部分を取り消してきたものです。

 しかし不起立が「あってはならない」とした発言をそのままにしたうえ、内心の自由にかかわる事実を「把握」し、学校現場に照会する意思を示すなど、不十分な釈明答弁となりました。日本共産党市議団は、こうした点について「憲法順守の義務を負う教育長としての責任は免れない」と批判し、起立強制の発言の全面撤回などを求めました。


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