2006年6月21日(水)「しんぶん赤旗」
核保有国に軍縮要求
“約束守るべき”と独外相
【ベルリン=中村美弥子】ドイツのシュタインマイヤー外相(社民党)は『シュピーゲル』誌六月十九日号のインタビューで、核兵器保有五カ国に対し核不拡散条約(NPT)に基づき核軍縮に動き出すよう要求しました。イランの核開発問題解決の努力と併せて進めていく必要があるとの考えを示しました。
同外相は、「わが国はNPTが効果的に実行されることを支持する」と表明。NPTには「核保有国による核軍縮の約束が含まれる。その約束を果たすよう保有国に強く要求する。私の考えでは、イランの核開発問題だけでなく、世界中の核兵器の状況を検証しなければならない」と述べました。
同外相は、核保有国が核軍縮をするには、NPTに沿って共同の努力をしていく以外にはないと強調しました。
NPTについて外相は、五カ国だけに核兵器保有を認める一方、他の国々には保有を禁じる不平等条約だと認めた上で、「にもかかわらずNPTは核兵器の拡散を防ぐのに適した条約だ。特に、イランの核兵器が核兵器開発競争を引き起こしかねない中東地域にとって重要だ」との見方を示しました。
また、国連安保理常任理事国(米英仏中ロ)とドイツの六カ国が先にイランに提示したイラン核問題の包括案について、G8外相会合が開かれる二十九日までにイラン側から「信頼に足る」回答が出されることに期待を示しました。