2006年6月20日(火)「しんぶん赤旗」

貧困根絶へ経済計画

「新自由主義を葬る」

ボリビア


 【メキシコ市=松島良尚】ボリビア政府は十六日、国営テレビ放送を通じ、今後五年にわたる新経済政策「国家開発計画」を発表しました。「豊かに生活するための尊厳と主権のある生産的なボリビア」と名付けられています。

 モラレス大統領が出席するもとで説明にあたったビジェガス持続開発相は、貧困とあらゆる形態の社会的排除の根絶が同計画の長期的目的であり、「新自由主義を葬るものだ」と強調しました。

 同相はまた、植民地国家が特権支配層と広範な社会的排除を生み出したとの分析をふまえ、排他的な伝統的権力に代わって、先住民や社会運動に支えられた包含的な社会的権力にもとづく「多民族的な共同体国家」をめざすと述べました。

 「国家開発計画」は「未来の建設」「民主主義のボリビア」など七つの章で構成されています。計画の柱となる公共投資を今年七億八千万ドルから年々引き上げ、二〇一一年には十六億ドルとする予定です。年間九万人の新たな雇用を見込めるといいます。

 同計画の具体的な内容としては、貧困の集中する地方への水道、電気、ガス、医療、教育など公共サービス全般にわたる拡充などを重視していることが注目されています。これまでのように天然ガスなど資源の輸出に依存するだけでなく、資源を利用する工業化の方向も打ち出しています。


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