2006年6月12日(月)「しんぶん赤旗」

「海外で戦争する国」狙う防衛「省」格上げ

テレビ討論 小池政策委員長が批判


 日本共産党の小池晃政策委員長は十一日、テレビ朝日系番組「サンデープロジェクト」に出演し、終盤国会について与野党代表と討論しました。

 このなかで与党側は、政府が九日に国会提出した「防衛省」関連法案について「(防衛庁が防衛省に格上げされても)専守防衛に徹する」(逢沢一郎自民党幹事長代理)、「(国連の多国籍軍には)参加しない。武力行使もしない」(高木陽介公明党広報局長)などと発言しました。

 小池氏は、防衛庁の省昇格によって自衛隊の本来任務に海外派兵が加わることを指摘。「これは単に役所の名前が変わるだけでなく、憲法九条を変えて自衛軍を持つことと一体のものだ。教育基本法を変えたり、共謀罪をつくろうという狙いとならんで、まさに『海外で戦争をする国』にするという大問題だ」と批判しました。

 同関連法案が国会終盤にかけこみ的に提出されたことについて、高木氏は「この問題は国民に理解を求めていかないといけない。首相が日本の国の方向性としてしっかりと語らなければならない」などと弁明。小池氏は「公明党はいろいろいっているが、『会期は延長しない』という小泉首相の方針のもとで、法案の提出に合意したのは公明党自身だ。今まで政府が一度も出せなかった法案を、公明党がOKしたから出せた」と批判。このやりとりを聞いて司会の田原総一朗氏も「公明党が自民党の保証人のようになっている」とコメントしました。

 「村上ファンド」をはじめとした金融市場で続く事件の対応もテーマに。小池氏は「動いたのは検察で、金融庁や証券取引委員会は動かなかった。そればかりでなく(ライブドア)事件直後金融庁は『あれは違法ではない』と言ってお墨付きまで与えた」と述べ、証券市場の規制緩和を推進してきた政府・与党の姿勢を厳しく批判しました。

 自民党が民主党の「修正案」を丸のみしてまで通そうとした「共謀罪」法案について小池氏は「いったん通してしまえば、後でいくらでも政府の都合のよいように『修正』できる。きっぱり廃案にすべきだ」と主張しました。

 政府・与党が会期延長しない背景に、「村上ファンド」問題など小泉政権のボロが出るのを避ける思惑もあると指摘。「私たちは会期のなかでしっかり議論し、そこで成立しなければ廃案だという立場だ。しかし(政府・与党はこれまで)悪法をごり押しするために会期を延長してきた。今度は都合が悪いから延長しない。自分の都合で国会を動かすやり方は許されない」と批判しました。


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