2006年6月6日(火)「しんぶん赤旗」

村上代表を逮捕

インサイダー取引認める

ニッポン放送株


 「村上ファンド」のニッポン放送株をめぐるインサイダー取引疑惑で、ライブドアによる買い占め情報を知りながら、公表前に同放送株を取得したとして、東京地検特捜部は五日、証券取引法違反の疑いで、同ファンドの村上世彰代表(46)を逮捕しました。政府の金融規制緩和路線に躍った「錬金術師」が、ライブドア事件に続き刑事責任を問われる事態になりました。


 調べによると、村上容疑者は、二○○四年十一月八日、ライブドア前社長堀江貴文被告(33)=証取法違反罪で起訴=ら同社幹部から、5%以上の同放送株を買い占める意向を聞きました。

 同容疑者は、この未公表情報を事前に把握しながら、同月九日から公表前の昨年一月二十六日まで、同放送株約二百万株を違法に買い付けた疑い。

 証取法は、上場企業の5%以上の株取得を、TOB(株式公開買い付け)に準じる行為と規定。こうした情報を内部関係者から聞いた者が、情報公表前に当該企業株を買い付けることは、インサイダー取引にあたるとして禁じています。

 ライブドアは〇五年二月八日、時間外取引などによる大量取得の結果、約35%のニッポン放送株を保有したと発表。同放送の株価は発表後に急騰、村上容疑者は保有株の大半を売り抜け、多額の利益を得たとされます。

 逮捕に先立ち村上容疑者は五日午前、東京証券取引所で会見。疑惑を大筋で認め、「認識が甘かった」などと釈明しました。

 村上容疑者は一九九九年、旧通産省を辞職し、ファンド会社を設立。国内初の敵対的TOBや、株主総会での派手な言動などで注目を集めました。


 インサイダー取引 企業の社員や役員、大株主が、職務や地位により得た情報をもとに株などを売買すること。証券取引法は、第一六六条で会社関係者のインサイダー取引を禁じ、第一六七条で公開買い付け(TOB)やそれに準じる行為での関係者のインサイダー取引を規制。違反すれば三年以下の懲役もしくは三百万円以下の罰金となります。「村上ファンド」の村上世彰代表は、ライブドアがニッポン放送株の大量取得を計画していることを知りながら、情報が公開される前に同放送株を買い増し、大もうけした疑い。


もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp