2006年6月5日(月)「しんぶん赤旗」

派遣労働者差別 正せ

英労組会議が政府に要求


 【ロンドン=岡崎衆史】英国の労働組合会議(TUC)は二日、英国内の派遣労働者の状況に関する報告書を発表しました。

 派遣労働者の仕事の内容や求められる責任が正社員とほとんど変わらないにもかかわらず、賃金や労働条件で差別されていることを告発し、政府に是正のための対策を急ぐよう求めました。

 報告書は「派遣労働者が派遣先社員と同じかほとんど変わらない仕事をするようになっているにもかかわらず、より低い賃金と労働条件に置かれている」と指摘しています。

 賃金については、調査対象の派遣労働者の87%が派遣先社員と異なる賃金体系に置かれ、基本給、ボーナス、残業代などが正社員よりも低く設定されていると告発しました。年金制度や有給休暇などでも差別されているといいます。

 報告書は個々の事例についても言及。派遣労働者が六割を占める通信関係の職場では、派遣先の正社員は派遣労働者の倍以上の給与だといいます。派遣労働者が35%の技術関係の職場では派遣労働者にはボーナスが支払われないといいます。

 TUCのバーバー書記長は二日、派遣労働者が差別されている現状について、「英国のやり方ではない」と批判し、派遣労働者の権利を保護するための欧州連合(EU)指令の成立を支持するとともに、英国政府による差別是正のための努力を求めました。

 報告書作成のため、TUCは二〇〇五年の夏、十万二千八百四十人の正社員と一万四千六百八十八人の派遣労働者が働く英国内の八十五の職場を対象に調査しました。


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