2006年5月26日(金)「しんぶん赤旗」
米艦の民間港寄港急増
1〜5月16隻 昨年の1年分
今年一―五月の米軍艦船による日本の民間港への寄港がのべ十六隻(予定含む)にのぼり、すでに昨年一年分(のべ十七隻)の水準に達していることが、外務省の資料などで分かりました。昨年十月の在日米軍再編に関する日米合意が日本の民間港を有事使用するため詳細な調査を打ち出したこととの関連が注目されます。
資料は、日本共産党の笠井亮衆院議員の求めに外務省が提出したもの。それによると、今年の米軍艦船による日本の民間港への寄港は五月二十三日現在で、のべ十四隻。その後、二十四日に高知県宿毛湾港にミサイル駆逐艦ラッセルが入港したのに続き、二十六日には同型艦のシャウプが静岡県清水港に寄港を予定しているのを加えると、のべ十六隻になります(表)。寄港した港の数は十二にのぼります(二十六日の清水港を含む)。
昨年一年間の米軍艦船の民間港寄港はのべ十七隻で、港の数は十三。一―五月期では十隻・八港でした。
米軍艦船は民間港に寄港した際、その港の状況を詳しく調査し、データを蓄積していることが明らかになっています。また、昨年十月の在日米軍再編に関する日米合意は、米軍がアジア太平洋地域に軍事介入する際(周辺事態)などの日米共同作戦計画の検討を拡大すると強調。この検討は、緊急時の米軍による日本の民間港や民間空港の優先使用を定めた日本の有事法制(二〇〇四年)を反映させ、そのために「一般及び自衛隊の飛行場及び港湾の詳細な調査を実施」すると明記しています。
宿毛湾港に寄港したラッセルの艦長は「寄港の目的は日本、東アジア地域に米国がいかにコミットしているかを示すことだ」「コミットとは日本と一緒にオペレーション(作戦)するという意味だ」と述べています。
今年の米軍艦船による民間港への寄港(艦名・寄港地・期間)
(1)揚陸指揮艦ブルーリッジ・名古屋・1月30日―2月3日
(2)ミサイル巡洋艦チャンセラーズビル・室蘭・2月3―7日
(3)揚陸指揮艦ブルーリッジ・室蘭・2月6―10日
(4)ミサイル駆逐艦スティーザム・長崎・2月10―13日
(5)掃海艦ガーディアン・呉・2月12―14日
(6)掃海艦パトリオット・呉・2月12―14日
(7)ミサイル駆逐艦ジョン・S・マッケイン・鹿児島・2月24―28日
(8)掃海艦ガーディアン・呉・2月25―27日
(9)掃海艦パトリオット・呉・2月25―27日
(10)ミサイル・フリゲート艦ゲアリー・新潟・3月16―21日
(11)ミサイル駆逐艦カーチス・ウイルバー・大阪・4月3―6日
(12)ミサイル駆逐艦スティーザム・秋田・4月4―8日
(13)ミサイル巡洋艦カウペンス・和歌山・5月11―14日
(14)ミサイル巡洋艦チャンセラーズビル・下田・5月18―22日
(15)ミサイル駆逐艦ラッセル・宿毛・5月24―28日(出港日は予定)
(16)ミサイル駆逐艦シャウプ・清水・5月26―30日(予定)
(外務省が笠井亮衆院議員に提出した資料を基に作成)