2006年5月25日(木)「しんぶん赤旗」
侵略への反省“忘れろ”
自民・町村元文科相
「敗戦後遺症の発想を教育界から取り除いていかないと」―自民党の町村信孝元文科相は、二十四日の衆院教育基本法特別委員会で、愛国心の強制を批判する教師たちを「敗戦後遺症」と揶揄(やゆ)しました。「敗戦後遺症」とは侵略戦争への反省のことです。町村氏は「過去の反省、とくに戦後六十年の反省の上に立った未来志向の教育改革論議を」とも発言。「過去の反省」の中から、国民を侵略戦争に駆り立てた戦前の教育に対する反省をとりのぞいてしまいました。町村氏の主張は、戦後の原点である侵略戦争に対する反省を忘れろということにほかなりません。
戦前の教育勅語は「一旦(いったん)緩急あれば義勇公に奉じ以(もっ)て天壌(てんじょう)無窮の皇運を扶翼(ふよく)すべし」と天皇のために命をささげることを求め、国民を戦争に動員する教育の根本となりました。そのため戦後、教育の目的を国家のためではなく「人格の完成」におく教育基本法を定めたのです。町村氏は戦前のあやまちを繰り返してもいいのでしょうか。(北)

