2006年5月20日(土)「しんぶん赤旗」

米グアンタナモ収容所

国連が閉鎖を勧告

一切の拷問中止も


 【パリ=浅田信幸】国連の拷問禁止委員会(ジュネーブ)は十九日、米国に対し、テロ容疑者を不法に拘束しているキューバ・グアンタナモ米軍基地の閉鎖と一切の拷問の中止を求める報告書を発表しました。


 報告書は、「グアンタナモ湾に誰であれ収容することをやめ、同収容所を閉鎖し、被収容者が裁判を受けることを認めるか、あるいは可能な限り速やかに釈放すべきだ」と明記しています。

 イラクやアフガニスタン、欧州にあるとされる秘密の収容所問題では、「秘密の施設に収容すること自体が、拷問もしくは非人道的扱いにあたることを認めるべきだ」と厳しく指摘し、実態を明らかにするよう要求。また性的侮辱や犬を使って脅す尋問を非難し、「あらゆる形態の拷問を根絶する精力的な措置」をとるよう勧告しています。

 同委員会は独立した十人の専門家で構成され、八七年発効の拷問等禁止条約の実施状況を調査し、ほぼ五年ごとに報告書を作成しています。今回は、二〇〇一年九月十一日の同時テロと「テロとの戦争」開始後の米国を初めて調査対象にとりあげました。

 米国は同条約を九四年に批准。今月五日、ジュネーブで開かれた聴聞会で米国防総省高官は、米国がテロ容疑者の尋問で採用している方法が拷問にあたるとの非難を受け入れませんでした。

 メネンデス委員長(スペイン人)は、AFP通信に「米国の管理下にある収容所について、条約に反する情報がある。これらは一掃されなければならない」と指摘。秘密裏に人を収容する事実だけでも「拷問の可能性が非常に高いことを意味する」と語っています。


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