2006年5月20日(土)「しんぶん赤旗」

国民投票法はいらない5・19集会

市田書記局長のあいさつ(大要)


 日本共産党の市田忠義書記局長は十九日、東京・日比谷野外音楽堂で開かれた「憲法改悪のための国民投票法案はいらない5・19集会」であいさつしました。大要は次のとおりです。


写真

(写真)連帯のあいさつをする市田忠義書記局長=19日、東京・日比谷野外音楽堂

 三日の憲法集会に続いてこのような集会が開かれたことをたいへん心強く思います。連帯しともにたたかう決意を表明するものです。

かつてない異常な国会

 国会は、かつてない異常な事態にあります。医療改悪法案が自民・公明両党によって衆院厚生労働委員会で採決が強行され、昨日参議院に送られました。高齢者の医療費負担をさらに増やすとともに、お年寄りを病院から追い出し、「お金のないものは医者にかかるな」というのであります。

 そして、現代版の治安維持法ともいうべき「共謀罪」についても採決をめぐって緊迫しています。「共謀罪」のもとでは、いまやっているこの集会でさえ、捜査の対象にされてしまう可能性があります。「集会でどんなことが提起されたのか」「賛成したのは誰か」「異議なし!と大きな声を出したものは誰か」「誰が集会に参加していたのか」…。すべてが捜査の対象にされかねません。

 さらに、戦後の日本を憲法とともに支えてきた、教育基本法の全面改悪案の審議がはじまりました。政府は、なぜ変える必要があるのか、いっさい説明できません。ライブドアも耐震偽装も、教育基本法のせいだといっていますが、改悪案の中身は、法律で「国を愛する態度」など二十項目もの徳目を強制する。そして、政府が教育内容に無制限に介入し、教育の自立性を根こそぎ破壊するというひどいものです。

 憲法が根付き、花開く日本をつくるために、国民一人ひとりの人格の完成をめざす、という教育基本法の精神を根本からひっくり返すものにほかなりません。

 そのねらいが「海外で戦争をする国」「弱肉強食の格差社会」という、二つの国策に従う人間づくりにあることはあきらかではないでしょうか。

憲法九条の改悪に直結

 そして、政府は、国民投票法案を提出することを決めました。

 なぜいま国民投票法案なのか。推進勢力は、「憲法には改憲手続きがかいてあるのに、その手続きを決めていないのは政治の怠慢だ」といいます。とんでもありません。憲法制定以来六十年間、憲法を変える必要がなかったから、その手続きも必要なかったのです。そのことによって権利を侵害された国民は一人もいません。それなのに、いま手続きづくりを持ち出すことは「憲法を変える」といっていることと同じです。

 そしてそれは、憲法九条の改悪に直結しています。中でも日本が海外で戦争することを最後の一線で防いでいる「九条二項」。政府がどんなに憲法違反の海外派兵法をつくっても、どうしても突破できなかったのが「海外での戦争」でした。それを可能にするのが「九条二項」の改憲です。改憲のための国民投票法案は、国民の誰も望んでいません。

改憲勢力を包囲しよう

 改憲勢力は、この究極の目的に向かって大手、からめ手、ありとあらゆる手段を使って攻撃を仕掛けてきています。しかし、「海外で戦争をする国にしたい」などと考えている国民はほとんどいません。

 だから私たちも、暮らし、教育、民主主義、国民生活などのあらゆる場面から反撃ののろしをあげ、改憲勢力を包囲していこうではありませんか。主権者は国民です。私たちこそ多数者です。ここに不動の確信をもって、意気高くたたかい抜こうではありませんか。私たちは、この点で一致できるすべての人々とスクラムを組んでたたかっていきます。


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