2006年5月19日(金)「しんぶん赤旗」

米軍再編3兆円負担

過少見せかけ答弁を訂正

緒方議員追及に防衛庁長官


 在日米軍再編の日本側負担を少なく見せようとしていた額賀福志郎防衛庁長官の発言は誤りだった――。十八日の参院外交防衛委員会で、日本共産党の緒方靖夫議員が追及し、明らかになりました。

 防衛庁の守屋武昌事務次官は四月二十四日、日本側の負担について、グアム移転費(約七千億円)を除き約二兆円と講演し、国民の批判を浴びました。これに対し、額賀長官は「(次官の発言は)思いやり予算だとかを統合していくと、それくらいかかるという話」(九日の同委員会)と述べ、「思いやり予算」を除けば、日本側負担は次官の発言より少なくなるという印象をふりまいていました。

 防衛庁は、十八日の同委員会で、講演の経緯を説明した資料とともに、同発言を報じた「毎日」(四月二十七日付)を配布。同報道は、次官が「思いやり予算」とは別に二兆円かかると講演したことも報じています。

 緒方氏は「一体どっち(が正しいの)か」と追及。額賀長官は「ちょっと待ってほしい」と述べた後、答弁不能に―。事務方が駆けより、その場で説明を受け、ようやく「次官の発言には思いやり予算は入っていない。(これまでの自身の答弁についても)直したい」と誤りを認めました。

 次官のいう二兆円に、グアム移転費を加えると約二兆七千億円。ローレス米国防副次官が、日本から情報提供を受けたという約三兆円に匹敵します。額賀長官の今回の発言は事実上、防衛庁として、再編経費を約三兆円と見積もっていたことを示すものです。


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