2006年5月16日(火)「しんぶん赤旗」

原爆症裁判

国は控訴しないで

被団協など 厚労省に申し入れ


 原爆症の認定を求める集団訴訟で、大阪地裁が原告九人全員の訴えを認め、国に“認定申請を却下したのは不当だ”と判決を出したのを受けて、全国弁護団と日本被団協、集団訴訟を支援する全国ネットの代表は十五日、厚労省に「大阪地裁判決を受け止め、控訴するな」と申し入れました。

 厚労省は当初、代表三人にしか会おうとしなかったため、大阪から駆けつけた原告や熊本をはじめ各地の弁護団、被爆者、支援者らが抗議。厚労省前で「被爆から六十一年たったいまも被爆者は苦しみつづけている。間違った認定制度を直ちに改めて」「原告にも会わない厚労省の態度は許せない」と次つぎとマイクで訴えました。

 抗議を受けてようやく受け入れた面会は、参加者が狭い会議室にびっしり。日本被団協の田中煕巳事務局長が(1)判決を受け入れ、控訴するな(2)認定行政の抜本的な改善を―など四点を要求し、申し入れ書を手渡しました。

 大阪から原告の木村民子さん(69)、佐伯俊昭さん(73)の二人が参加。木村さんは「この日のために体調を整え、身を削って朝早くから出てきたのに、厚労省の対応には納得がいかない。もういつここに来れるかわからない。大阪地裁の判決を受け入れてもらいたい」と再三、要求しました。

 喉頭(こうとう)がんで声を失った佐伯さんに代わり、弁護団が「判決を重く受けとめて、国の行政をただすことが大切だ。これ以上、被爆者を苦しめず、控訴しないで」とメモを読み上げました。


もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp