2006年5月12日(金)「しんぶん赤旗」

米艦載機

岩国移転 騒音増す

広島の7地点 施設局認める


 広島防衛施設局は十一日までに、米艦載機部隊の岩国基地移転前と移転後のデシベル値による騒音の変動をシミュレーションしたものを公表しました。調査した広島県廿日市市、大竹市、江田島市の十三地点中、本州部分を中心に七地点で騒音が増えることを明らかにしました。

 廿日市市宮島の養父崎浦で六五デシベル→八〇デシベル、江田島市沖美支所で六〇デシベル→七〇デシベル、大竹市役所で五五デシベル→六五デシベルなどそれぞれ五―一五デシベル増加して六〇―八〇デシベルになるとしています。

 一方、大竹市阿多田島や、宮島の厳島神社、弥山山頂などは減少すると強調。ただ厳島神社七〇デシベル→五五デシベル、弥山山頂七五デシベル→六五デシベルという数値を記載しており、宮島が現状で七〇デシベル以上の騒音域にあることを認めています。

 シミュレーションは、艦載機移転前と移転後にそれぞれ設定された飛行コースを、最も騒音のうるさい機種が飛行した場合を想定。飛行コースについて防衛施設庁は、一九九五年に岩国基地滑走路沖合移設事業に伴って日米で調整したものを使用したとしています。

 しかし艦載機移転後は海軍・海兵隊の戦闘攻撃機部隊が統合運用されることになっており、艦載機移転構想が出る前に設定された飛行コースを、移転後のシミュレーションに使用することには疑問があります。回答で防衛施設庁自ら「飛行コースのばらつきにより騒音値が増減される場合がある」と認めています。

 デシベル値の騒音データは、今年以来、広島県が再三、開示を求めてきたものでした。


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